今回観たアニメは、『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』(2020年)、通称・防振り!2020年冬アニメの覇権とも呼び声が高い作品で、なんと、第2期の制作も決定しました。
第2期は2022年に放送予定ですよー!
- 原作:夕蜜柑
- キャラクター原案:狐印
- 監督:大沼心、湊未來
- 制作:SILVER LINK.
キャラクター原案は狐印さん!『這いよれ! ニャル子さん』の方ですね。キャラデザ可愛いですよ。

『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』は、VRMMO「NewWorld Online(略称:NWO)」を舞台に、ゲーム初心者・本条 楓(ほんじょう かえで)/プレイヤー名・メイプルが大暴れするお話です。
ネットゲームが舞台のアニメといえば、『ソードアート・オンライン』や『ログ・ホライズン』、『オーバーロード』のような、ちょっぴりシリアス要素のある作品を想像してしまいましたが、なんか全然違いました…笑
公式でうたわれている通りですが、
最強初心者の、ノンストレスな大冒険!!
なので、「ゆる~くて、爽快で、可愛い物語」でした。どちらかというと、『ゆるキャン△』とか『けいおん!』とか、きららアニメ的な雰囲気のある作品ですね。肩肘張らずにゆたったりと可愛い女の子を眺めたいときにおすすめです笑
一方で、戦闘作画はかなりしっかりしていますし、全男子が好きであろう(?)メカっぽいデザインなんかも登場するので、メリハリがあって面白いです!
総合評価/おすすめ度 | 3.0 |
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』のあらすじ
人気のVRMMO「NewWorld Online」に超大型新人現る!?あらゆる攻撃を無効化し、致死毒スキルでモンスターもプレイヤーも徹底蹂躙!異常な戦いぶりから「歩く要塞」とも「ラスボス」とも呼ばれるそのプレイヤーの正体は、ただの美少女初心者だった!何を隠そうこのメイプルは、友人のサリーに勧められてゲームをスタートさせたばかり。ゲーム知識に乏しく、ステータスポイントをVIT(防御力)に極振りしてしまい、最初はザコモンスターにすら翻弄される始末だったが……。
痛っ……くない!?モンスターにどつき回されてもダメージゼロ、さらには運良く一撃必殺のカウンタースキルまで手に入れてしまう!ひと癖もふた癖もある仲間たちも加わり、ますます成長していくメイプル。
ノーダメージな大冒険が幕を開ける!
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』の予告/PV
マイペースな初心者美少女が「歩く要塞」「ラスボス」化?!
主人公のメイプルは友人のサリーに誘われてNWOを始めることになるのですが、ゲーム初心者故に初期ステータスを防御力に極振りしてしまいます。理由は…「痛いのが嫌なので!」だそうです。タイトル通りですね!
そんな、メイプルの防御極振りという特異なステータスは、さまざまなゲーム内のスキルを、とんでもない効果に変貌しさせていきます。そこが結構このアニメの面白いところですね。
例えば、「防御力を2倍にする代わりに、その他のステータスを上げるための必要ポイントが2倍になる」というスキル【絶対防御】だったり、「HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時に、HP、MP以外のステータスが2倍になる」というスキル【大物喰らい(ジャイアントキリング)】は、防御力以外0のメイプルにとって、最凶の激ヤバスキルと化します。
二つ併せて、なんと防御力4倍…。これはマジ要塞。

メイプルは、その「圧倒的な防御力」と「初心者ならではの奇想天外な行動」を武器に、ゲーム内クエストを次々にクリア。そのたびに、とんでもないスキルを獲得して強くなっていきます。さらに、それらを組み合わせることで、どんどん意味の分からないことになっていくのですが…。
ぼくの個人的に好きな最凶メイプル名場面は、「空飛ぶ大きな亀に乗って、毒の雨を降らせる攻撃」をするところですかね。
ちょっと何を言っているかわからないと思いますので画像貼っておきますね…。なんかこんな感じです。ここまでいくと「歩く要塞」ではなく「空飛ぶ要塞」ですね。なぜこうなったかは、本編で!

ちなみにこういったメイプルの成長は、どうやらNWOの運営的にも想定していなかったようで、メイプルが何かとんでもないことをやらかすたびに、慌てふためく様子が描写されるのも面白いです。
そんなこんなで(?)楽しくゲームをする初心者・メイプルは、いつの間にか運営からも「僕らが作るラスボスよりラスボスっぽくなってきてる」と称されるまでに成長していきます。
ぶっちゃけ第1話時点で、「もうこいつ作中最強キャラじゃね?」ってぐらい強化されてしまうのですが…。それでも、運営によって「メイプル対策のアップデート」が度々行われることで、絶対的チートキャラになることはありませんでした。
苦戦する場面もバランスよく描かれていたところが、「ノンストレスな大冒険」感を維持しつつチートクソアニメにならずに、気持ちよく最後まで楽しめた要因かもしれないですね。
メイプル超進化!第二形態・第三形態・第四形態…?
アニメ後半では、友達のサリーらとギルド「楓の木」を結成。メイプルの影響で(?)様々な能力に特化したキャラクターが集まり、メイプルと仲間たちの、熱いゲーム内イベントが展開されていきました。ダンジョン探索やギルド対抗の総力戦などですね。
その過程でもメイプルは次々にレアスキルを獲得。「身捧ぐ慈愛(守護天使メイプルちゃん)」「暴虐」「機械神」へ変化する化け物キャラになっていきます。同じ楓の木メンバーのクロム曰く、「とにかくちょっと目を離すとおかしなスキルを見つけてくる」とのこと。その能力も個性的で、かつ見た目も可愛かったり、かっこよかったり、気持ち悪…面白かったりで魅力的でした。ほんと「暴虐」に関してはマジで人間辞めてるレベルです。7体に分裂するし。気持ち悪いし。



「ちなみに「暴虐」のこの演出って、庵野秀明監督の巨神兵のオマージュですよね。メイプルさんの絶望感マジやばい。あー、俺たちの天使メイプルを返してくれ!笑
視聴者はメイプルを見守るネット民?
この作品は各話のエンディング前に、メイプルについて語るネット掲示板のやりとりが演出として挿入されます。実はこのスレ、仲間になる前のクロムが、森の中で偶然メイプルを見かけてスレ立てしたという設定なのですが…この演出が、この作品ではかなり重要な役割を果たしているように感じました。
例えばこんな感じ。

そもそも『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』は、メイプルを中心に、楓の木の仲間たちのやりとりを楽しむような作品のため、「登場人物の目的」や「物語の終着点」は特に設定されていません。この辺が「きららアニメ感」の原因の一つなのだと思うのですが、ここの認識を誤ると素直に楽しめない作品になってしまうんですよね。
ですが、このネット掲示板の演出が入ることによって、観ているときのスタンスが明確になりました。めちゃくちゃな活躍をするメイプルちゃんを、遠くから眺めて、愛でていればいいのですよね笑
非常にわかりやすくて助かります。
なんだかメイプルのことばかり書いてしまいましたが、楓の木の仲間たちも可愛いので、一緒に愛でてあげてくださいね(?)
個人的には、メイプルと対照的に、攻撃力に極振りした双子の姉妹・マイ&ユイが、いち押し!小さな体で大槌を振り回したり、鉄球で投擲攻撃したりします。ちなみに、特に何の効果も無いただの鉄球を投げるのですが、マイ&ユイの手にかかれば致死の砲弾にかわります。最強の盾・メイプルと相性抜群の最強の矛ですね。

『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』の主題歌
オープニングには、『STEINS;GATE』企画原案の志倉千代丸さんが参加されてます。ここで名前を見かけるとは!本当に、企画~プログラミング~楽曲プロデュースまで、何でもできるのはすごいですよね。
○ 究極アンバランス!/OP
作詞・作曲 – 志倉千代丸 / 編曲 – 悠木真 / 歌 – 純情のアフィリア
○ Play the world/ED
作詞 – hotaru / 作曲・編曲 – 齋藤大 / 歌 – 佐々木李子
〇 Good Night/挿入歌
作詞 – 徐賢眞、雨野どんぐり / 作曲 – 徐賢眞 / 編曲 -水島康貴 / 歌 – 佐々木李子
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』の声優
キャラクター | 声優 |
---|---|
メイプル
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本渡 楓
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サリー
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野口瑠璃子
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カスミ
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早見沙織
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カナデ
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新井里美
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マイ
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加隈亜衣
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ユイ
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諏訪ななか
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クロム
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杉山紀彰
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イズ
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佐藤聡美
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ペイン
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小野賢章
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ドレッド
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山崎たくみ
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フレデリカ
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竹達彩奈
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ドラグ
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神奈延年
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ミィ
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佐藤利奈
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シン
|
山口勝平
|
マルクス
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石田 彰
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ミザリー
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皆口裕子
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ドラぞう
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丹下 桜
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メイプル(本条 楓)役の本渡 楓さんは、キャラ名とお名前がそっくりですね!ご本人も「名前が似てる!と思ってオーディション頑張った」とインタビューで答えていました…笑
今作、意外と登場するキャラクター数も多くて、人気のある声優さんがたくさん出演されてました。でも、物語の構造上、基本的にメイプルと楓の木メンバーがメインになっていたので…第2期ではもっと他のキャラクターにも愛着をモテるような活躍シーンが出てくると嬉しいですね!
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』は面白い?つまらない?
ストーリー | 2.5 |
作画 | 4.0 |
声優 | 3.0 |
主題歌/挿入歌 | 3.0 |
総合評価/おすすめ度 | 3.0 |
正直あまり期待せずに観たのですが、期待以上でした!
この作品ってある意味、女の子版「俺TUEEEE」作品なんですよね。この系譜だと、あまりのチートでつまらなくなったり、「またオレ何かやっちゃいました?」(『賢者の孫』)的なイラついたりしがちですが、そういうポイントもほとんどなく、素直に面白かったです。
ゲーム初心者の女の子主人公で、シリアス排除されているところが良かったのでしょうか。メイプルちゃんは強いし可愛いし、嫌味を感じること無く、気楽に観れました。
ただし、こういうゆる~い作品は、マンネリ化しがちではあるので、制作中の第2期ではどんな展開になるかはかなり気になりますね!
みなさんの感想も教えてください!
それでは、また次の作品でお会いしましょう!