今回観たのアニメは、『ナナマル サンバツ』(2017年)です。
日本テレビで放送された、高校生の「競技クイズ」が題材の作品で、同時期に日テレ系で放送された『第37回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2017』とのコラボレーションも行われた、なんか「日テレクイズ祭り〜」的なノリの企画作品ですね。原作は『ヤングエース』(KADOKAWA)で連頼されていた漫画で、2020年に完結しています。(原作は未読)
- 原作:杉基イクラ
- 監督:大宙征基
- シリーズ構成 :柿原優子
- 制作:TMS/だぶるいーぐる
この作品に関しては色々書きたいことはあるんですけど、とりあえずね…川島海荷さんが演じている
ヒロインの声がヒドイwwwwwww
むりwwwwww

第1話の途中であまりの棒読みに違和感を感じて一時停止して、速攻で声優さん調べちゃいましたよ。気にせずに観るのは不可能なレベルで下手です。擁護しようがない。レコーディングをしている時の音響監督さんの表情が見てみたい。顔、死んでただろうなぁ。うん。
ただ、作品の内容自体は結構好きな部類でした。ぼく自身、「競技クイズ」は大好きなので、わかりやすく「競技クイズ」の魅力や奥深さを伝えてくれる【良作】だと思います。だからこそ、あまりにもヒロインの声が理由で駄作になってしまったのがホントもったいなかったですね。
『SHIROBAKO』のセリフ「政治的なキャスティングはバレます。そしてそれは断言出来ますが、作品にプラスになることは無い。絶対にです」がちらつきました…。ご本人は可愛いんですけどね。声優としてはダメです。
総合評価/おすすめ度 | 2.0 |
『ナナマル サンバツ』のあらすじ
文蔵高校、新入生歓迎会。
1年生の越山識は、クイズ研究会による<新入生早押しクイズ大会>に思わず参加させられてしまう。読書好きで目立つことが嫌いな識が慌てるなか、同じクラスの深見真理は、クイズの問題が読み終わる前に次々とボタンを押しては、まわりを圧倒していく。「答えがわかってから押してたんじゃ、全然遅いのよ。早押しは0.01秒の差が勝敗を分けるわ。」
そんな真理を見ているうちに、識は“クイズには答えを確定できるポイントがある”ことに気付く……。
クイズ研究会の先輩と仲間たち、圧倒的強さを誇るライバル・御来屋千智との出会い、正解したときの喜び、ボタンを押せなかった時の悔しさ…知識だけではなく、様々なテクニックを磨いて仲間とともに勝利を目指す≪競技クイズ≫の世界で越山識のクイズに青春をかける日々がスタートするのだった。
引用:『ナナマル サンバツ』公式サイト より
『ナナマル サンバツ』の予告/PV
『ナナマル サンバツ』は政治的なキャスティング?!川島海荷がひどい…

『ナナマル サンバツ』は完全に政治的なキャスティングです。『高校生クイズ』を放送する日本テレビにてOAされた作品ですが、日本テレビ関係から2人(声優ではない方)がキャスティングされています。
1人目が、日本テレビアナウンサーの桝太一さん。各話本編終了後のミニアニメパートで自身をSDアニメキャラ化した「クイズマスター」役として登場します。桝さんに関しては、本編には登場せずにゲストキャラとして、ほぼご本人の位置づけで登場するので、個人的には違和感がなく良かったと思います。本職アナウンサーの方がクイズを出題するクイズマスターという役を演じるのは無理のない範囲ですよね。

ですが2人目の川島海荷さんが本当にダメ。当時、桝さんと一緒に『ZIP!』(日本テレビ)の総合司会を務めていたので、これも少なからず政治的なキャスティングですよね。
まして演じているのが、今作のヒロインの深見真理役…メインは絶対ダメでしょ!深見真理、結構可愛いキャラクターなんですけどね。マジで台無しでした。トーンが低めの棒読み演技で、話しているキャラクターの表情や口の動きにマッチしていないので、びっくりするぐらい違和感があります。

川島海荷さんの演技に関しては、「とにかくひどかったよ!」ということ以上に書くことはないのですが…笑。第1話放送当時のニコ生コメントも大荒れだったみたいなのでご紹介しますね。まぁアニメ本編を観て頂ければわかりますが、当然の反応だと思います。
新アニメ「ナナマル サンバツ」でヒロインが「あなた早押しは素人?」って言った瞬間に「あなた声優は素人?」ってコメが溢れて大草原#ニコ生#ナナマルサンバツ pic.twitter.com/PLnCDJJ8JN
— 探跡家もっけい@VTuber (@mokkei_VE) July 8, 2017
ぼくは、本職声優ではない方が演じられることに否定的なわけではないです。役者さんや芸人さんでびっくりするぐらい上手な方もいらっしゃるので、むしろ肯定派かもしれません。ただ、今回の川島海荷さんに関しては「オーディションしたのか?」「ちゃんと会議したのか?」「本当にいい作品になると思って起用したのか?」と言わざるを得ません。原作者さんが可哀そうだよ!!
ちなみにこの件に関して、原作の杉基イクラさんはご自身のTwitterでめっちゃ優しくフォローしていました。杉基イクラさん聖人かよ!!
#ナナマルサンバツ ヒロイン役の海荷ちゃんはぐんぐん上達してゆきますので私、アフレコの度に楽しみです😄
— 杉基イクラ🌸ナナマルサンバツ全20巻発売中 (@iqura_s) July 4, 2017
とはいえ川島海荷さんも起用“された”側なので、可哀そうといえば可哀そうなんですけどね。キャストのコメントでも「声優として不慣れなこともあるかと思いますが、楽しみたいです!!」って書いてますしね。

コレなんか誰も幸せになってないよね。
制作関係者の皆さん。特に川島海荷さんを推した方は、これを改めて百回ぐらい音読してくれ。
「政治的なキャスティングはバレます。そしてそれは断言出来ますが、作品にプラスになることは無い。絶対にです」
「競技クイズ」は本当に面白い!
今回題材となった「競技クイズ」に関しては、何度も言いますが大好きです。個人的には、『東大王』(TBS)やYouTubeのクイズ系クリエイター集団『QuizKnock(クイズノック)』さんのチャンネルをよく拝見してまして、競技としてのクイズを日々研究されている人たちのテクニカルなクイズ技術には感動すら覚えます。
例えば、「確定ポイント押し」や「パラレル問題でのイントネーションの聞き分け」、「ベタ問の記憶」などが本編でも触れられていましたね。
「確定ポイント」というのは、読み上げられる問題の中で、その問題の解答が確定するポイントのことです。早押しクイズで問題全文が読み上げられることなんてほぼないですよね。歴戦のクイズプレイヤーたちは問題の途中の確定ポイントで押してるのです。
この画像の斜線/部分が、確定ポイントです。

「パラレル問題」はいわゆる「~ですが、」となる問題のこと。これも、読み手のイントネーションを聞き、前半でどこが強調されているかによって、問題後半を推測して早押しします。強調された箇所が対になる別の言葉に置き換わるイメージです。
- 日本で一番高い山は富士山ですが~
⇒「日本」と対になった言葉が後半部分に来るので、続きは「世界で一番高い山は?」になる可能性が高い。 - 日本で一番高い山は富士山ですが~
⇒「高い」と対になった文章が後半部分に来るので、続きは「日本で一番低い山は?」になる可能性が高い。 - 日本で一番高い山は富士山ですが~
⇒「一番」と対になった文章が後半部分に来るので、続きは「日本で二番目に低い山は?」になる可能性が高い。
こんな感じ。伝わりますかね?
ここまでくると、問読みをしている人のプレッシャーもすごそうだなとか思いませんか笑?
最後の「ベタ問」は、いわゆるクイズの定番問題のことですね。長い間、何度も繰り返し使われてきた問題は、幾度のふるいにかけられた「名作クイズ」なので、クイズプレイヤーの皆さんは暗記していたりします。クイズ番組でありえないタイミングで早押しして正解する場面なんかはこれだったりします。最初の3文字で特定する的な。
こんな感じで、競技クイズのコンマ数秒の駆け引きの中で実際に行われている技術が、アニメの中で分かりやすく説明されるので、そういう意味でとても面白かったです。
ちなみにアニメでは登場しなかったのですが、ぼくが一番すごいなぁと思うテクニックは「読ませ押し」ですね。クイズって問読みも人間が行うので、回答ボタンが押されても、そのあと一言二言分読み上げてしまうんですよね。そこを計算に入れた上で、確定ポイントのコンマ数秒前にボタンを押し、確定ポイントを読ませて回答するという技術です。いや、すごすぎ。クイズってただの知識バトルじゃないよね。
こういう凄まじい競技クイズの世界にフォーカスしてくれるのはホント良いんです。ちょっとでも気になる人は観てくださいね!でも第2期は作られないんだろうなぁ…。原作読もうかな。
『ナナマル サンバツ』の主題歌
『ナナマル サンバツ』は、アニメ主題歌は挑戦のMrs. GREEN APPLEを起用していたりで結構豪華です。Mrs. GREEN APPLEの爽やかロックが青春っぽい雰囲気を出していて良い感じです。
○ On My MiND/OP
第10話のミニアニメパートでは、「ミセスグリーンアップル高校の生徒たち」という設定でメンバーが声の出演をされていました。本編終了後のミニアニメパートならいいんですよ。こういうのファンなら嬉しいですよね。
作詞 ・作曲・編曲 – 大森元貴
○ 〇〇〇〇〇/ED
編曲のJUNK FUNK PUNKさん、いわゆる音楽プロデューサー的な裏方のスーパースターが3人集まって結成されたドリームバンドなんですよ。話がそれてしまうので、気になる方は調べてみてください(丸投げ!)笑
作詞 – 永塚健登 / 作曲 – AKIRASTAR / 編曲 – JUNK FUNK PUNK / 歌 – ベイビーレイズJAPAN
『ナナマル サンバツ』の声優
キャラクター | 声優 |
---|---|
越山識
|
堀江瞬
|
深見真理
|
川島海荷
|
御来屋千智
|
石川界人
|
笹島学人
|
佐藤拓也
|
井上大将
|
畠中祐
|
笹島迅子
|
松田颯水
|
苑原明良
|
永塚拓馬
|
上月由貴
|
M・A・O
|
丸山亘
|
八代拓
|
向井亮太
|
白井悠介
|
中澤藤一郎
|
室元気
|
佐々木一
|
山谷祥生
|
剣持文伽
|
東城日沙子
|
古河珠美
|
もものはるな
|
近衛春臣
|
増田俊樹
|
柴田勝
|
榎木淳弥
|
黒田良勝
|
岩瀬周平
|
越山誓
|
長尾明希
|
芦屋洋介
|
羽多野渉
|
新名匠
|
鈴木達央
|
苑原千明
|
佐倉綾音
|
大蔵邦光
|
前野智昭
|
花房ミノル
|
岸尾だいすけ
|
戸塚光太郎
|
古川慎
|
深見誠司
|
緑川光
|
【ミニアニメパート】クイズマスター
|
桝太一
|
こうしてみると、ちゃんとした声優さんたちに囲まれて、やっぱり川島海荷さんの悪目立ちが残念ですね。川島海荷さんも被害者な気がしてきました。せめて別の端役でゲスト出演とかにしておけばよかったのに。
ちなみに主人公・越山識役の堀江瞬さんは、実は『ナナマル サンバツ』がアニメ初主演なんですよね。2020年の『彼女、お借りします』でも主人公の木ノ下和也役を演じられていました。若手実力派声優って感じです。
『ナナマル サンバツ』は面白い?つまらない?
ストーリー | 2.0 |
作画 | 3.5 |
声優 | 1.0 |
主題歌/挿入歌 | 3.5 |
総合評価/おすすめ度 | 2.0 |
『ナナマル サンバツ』は正直残念な出来。
ぶっちゃけヒロインの声がクソな時点で、観れたもんじゃないって人も多いと思うので、擁護はできないですが…競技クイズはやっぱり面白いし、その魅力をうまく伝えている作品だとは思いました。
第1期のストーリーは、まだまだ主人公が競技クイズの面白さにハマっていくという段階なので、まだまだこれから!という感じなのですが、続編は…期待できませんよね。一生アニメは未完になると思うので、ストーリーも★2.0にしました。
三度目ですが、「政治的なキャスティングはバレます。そしてそれは断言出来ますが、作品にプラスになることは無い。絶対にです」ということだけお伝えして、ぼくは原作漫画を読むことにします。
みなさんの感想も教えてください!
それでは、また次の作品でお会いしましょう!